コーヒー 17世紀 イスタンブールから

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オスマン帝国華やかなりし1554年、イスタンブールで二人のシリア人がコーヒーを出す店を始めた。これが世界初のカフェとされる。初めて出会う黒い液体のかぐわしさに人々は虜になり、カフェは大繁盛。いれ方が改良され、それまでのアラブ式「ムルラ」よりも焙煎を深くして細かく挽き、水から煮出すトルココーヒーが生まれた。 その後カフェは、文化人が集まって議論を闘わせる場となり為政者に不都合だったり、コーヒーがもたらす快感が教義に触れるという理由でイスラム法学者から睨まれるなど、何度も禁止の憂き目に遭いながらも、徐々にヨーロッパへと広まっていく……。 ときは移り21世紀のイスタンブール。新しいカフェが次々と出現し、海外のフランチャイズも大々的にチェーン展開をしている。若者たちはラージサイズの紙コップでコーヒーを飲み、政治談議の代わりにスマートフォンやタブレット端末の画面を見せ合う。 ライフスタイルも飲み方も変わったが、カフェという空間は450年余りを経た今も、一杯のコーヒーとくつろぎを求めて人々が集う場所であり続ける。そんなイスタンブールのカフェを巡る旅へ、出発しよう。スタッフの指導でトルココーヒーのいれ方を体験できる。8人までならグループでの受講も可。 空前のカフェブームともいえる今日のイスタンブール。若者たちの間では、泡立てたミルクをたっぷり入れるコーヒーが主流となりそうな気配もある。そんな中、トルココーヒーのよき伝統文化を正しく伝えようと2012年2月にオープンしたカフェがある。その名も「博物館のコーヒー」。「トルコイスラム美術博物館」の中庭に面した一角にあり、店内には17~18世紀のカフェを描いたエッチングなどが飾られている。上から順に:焙煎されたコーヒー豆をゆっくり冷ます。100℃近くに温められた細かい砂の中に置く。ロクムと水を添えて格調高く出されるトルココーヒー(7TL)。 呼び物は「トルココーヒーの正しいいれ方」教室(20TL)。全工程30分ほどで、数種類のコーヒー生豆や焙煎を見学し、スタッフの手ほどきを受けながら自分で豆を挽いて正しいいれ方を教わる。長い柄のついた〝ジェズヴェ〟と呼ばれるコーヒー専用の小さな手鍋に、極細に挽いたコーヒーと水、好みで砂糖を入れ、よくかき混ぜた後、熱した砂(元来は炭火の灰)の中に置く。ジェズヴェを覗きこみながら、中の黒い液体がだんだん膨らんで泡立ってくるのを、じれったいような待ち遠しいような思いで待つこと5分。泡が立ったところでまず半量をカップに注ぎ、残りは再度砂の中に戻し、もうひと泡立ったら下ろしてカップに注ぎきる。 こうして世界で唯一の「漉さないコーヒー」の出来上がり。帰りに渡される修了証はご愛嬌だが、本格トルココーヒーいれに挑戦し、その奥深さをゆっくり体験できるひとときは悪くない。「トルココーヒーには、いれるときに気をつけるポイントがたくさんあります。熱している間はかき混ぜないとか泡をよく立てるコツとか。でもそうやって心をこめていれるコーヒーの味は格別ですね」 コーヒーの出し方も伝統にこだわる。楕円形のトレイの手前にコーヒー。それも取っ手のない陶器のカップを取っ手のついた銀の器に入れて使うクラシカルなもの。ロクム(柚餅子のような食感のトルコの伝統菓子)を入れた蓋つきの小さな器と水を入れたグラスを添える。ロクムは、砂糖が輸入品で貴重だった時代にコーヒーの苦みを和らげるために添えられた習慣に由来する。 また水は、まず口を潤してコーヒーを味わい、飲んだ後に口中に残ったコーヒーの粉を洗い流すため。ロクムも水も、共に添えるのが正しい流儀だ。ひっきりなしの注文に手際よく対応する店長のアリさん。 イスタンブールはボスフォラス海峡を挟んで、アジア側とヨーロッパ側に分かれるユニークな街。人々は海峡にかかる橋をバスや車で渡るか、連絡船で行き来する。入れ替わりの激しいカフェ業界にあって、開業当初からの焙煎と挽き方にこだわって70年以上も営業を続けているのが、アジア側のカドゥキョイ区にある「ファズルさんのトルココーヒー」だ。トルコ共和国建国の1923年に生まれたファズルさんが1940年に開業し、以来地元で美味しいトルココーヒーを出し続けてきた。今は3代目が引き継いでいる。上から:狭いカウンターで黙々とコーヒーをいれ続けるスタッフ。オリジナルロゴのかわいいコーヒーカップに水が添えられ、銀のトレイで出される(4.5TL)。店頭のガラス越しには、店を支えてきた赤いコーヒーミルが。 にぎやかな商店街の狭い路地の一角にあるこの店は、店内と軒先に置かれた小さなテーブルと椅子にぎゅうぎゅうに詰めても、十数人も座ったらいっぱいになってしまうほどの小さな店構え。学生から老夫婦まで、地元の常連客でいつもにぎわっている。チャイ(紅茶)やカプチーノも置いてはいるが、客の99パーセントはトルココーヒーを飲みにくる。毎日やってきて3杯くらい飲んでいく人もいるのだとか。 挽いた豆を買っていく人も多い。焙煎は2種類あり、フレンチローストのような深煎りとやや明るい色の中煎り。苦みが浅い中煎りのほうが人気だ。 挽き方はもちろんトルココーヒー用でパウダー状の極細挽き。本物のコーヒーを人々に味わってもらうため、開業当初から受け継がれてきた伝統工法を頑なに守り続けている。「焙煎機もコーヒーミルも初代から使っている古いものだよ。頑丈で頼もしい機械さ」 トルココーヒーを飲む人が減っているのではという心配をよそに、ここでは客は増加傾向にあるという。ずっとこの店舗1軒だけで営業してきたのだが、この数年で支店を6つも持つほどになった。しかも同じ路地の隣や真向かいには、その繁盛ぶりにあやかろうとロゴや店構えのよく似た「えせファズルさん」が3軒も出現してしまった。 昔ながらの店構えと路地に流れてくる挽きたてのコーヒーの香り、そして人々のゆったりとくつろいだ表情。コーヒー好きのファズルさんが開いた小さな店は、70年たった今も美味しいコーヒーへのこだわりを継承して、地元の人々を魅了している。色鮮やかなランプや古時計、壁に描かれた絵、古い写真などが飾られ、店内はどこか懐かしさが漂う。 世界中から観光客が訪れる巨大な屋根つき市場グランドバザール。ビザンチン帝国が終焉を迎え、オスマン帝国の首都として生まれ変わろうとしていた15世紀中ごろに、街の商業活動を支えるため作られた市場が徐々に拡大していったものだ。元祖ショッピングモールともいえる、このグランドバザールの中ほどにある「オリエント・カフェ」は、観光客や地元の人や商人にとってほっとひと息つける憩いの場だ。地元の商人たちも仕事の合間にちょっと休憩。近ごろの景気について語り合っているのだろうか。 創業1959年で、現在は2代目オーナーが仕切っている。内装は初代が古い絵ハガキから気に入った絵を選んで絵師に描かせたものだそうで、カフタン(長衣)を着た宰相や剣を下げた兵隊や民族舞踊を踊る人など、愛嬌のある絵柄ばかりだ。蓄音機や手動の消火ポンプなどレトロなオブジェも飾られている。バザールも近ごろでは、テナントが入れ替わって場違いとも思えるモダンな内装になったり、海外チェーンのカフェが出来たり、と変容しているが、2代目に内装を変える気はない。そのノスタルジックな雰囲気と気取らなさが愛されて、大統領や大臣、海外からの国賓や芸能人もバザール見物の折にここで休憩していくという。 商人が休憩や商談のために使ったり、地元の人が買ったばかりの品物を袋から出して見せ合っていたり。隅っこの椅子に沈みこんでいる外国人は、商人とのタフな交渉に疲れて頭を冷やしているのだろうか。バザールの喧騒をよそに、ここには静けさが漂う。忙しすぎる日常や早すぎる流行を追いかけるのに疲れたとき、なぜか懐かしさを感じてふと立ち寄ってみたくなるカフェだ。エスプレッソやカプチーノ(いずれも8TL)の注文が多く、コーヒーマシーンもフル稼働。アルコール類も揃っている。

コーヒーを初めて味わったオランダ人は1616年にアラビアのモカに赴いたファン=デル=ブルークであるとされており、アムステルダムには17世紀の終わりごろまでは南アラビアのイェーメン地方産コーヒーに限られていた。 0000029215 00000 n 0000181868 00000 n 0000003827 00000 n 0000007892 00000 n 0000003907 00000 n アフリカ大陸で発見されてから後、コーヒーはその価値が認められると様々な人々の手によって、栽培範囲も飲用文化も世界各地へと広がっていきました。 コーヒーの歴史的事項 ; 主な歴史的事項. 0000056517 00000 n 0000003680 00000 n

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 最後にとびきりおしゃれなカフェ・レストランを紹介しよう。2004年にオープンした「イスタンブール・モダン」(近代美術館)に併設、同時オープンした「イスタンブール・モダン・レストラン」がそれだ。美術館の見学客だけでなく、ビジネスマンや富裕層のマダムたちにもよく利用されており、料理やスイーツも豊富に取り揃えて客のニーズに幅広く応じている。左:当店自慢のオリジナルスイーツ、アーモンド入りスフレ(14TL)。グルメや雑誌記者も絶賛。 「イスタンブール・モダン」は、もともとイスタンブール港のカラキョイ埠頭にあったアントレポ(船からの荷揚げ品を保管する倉庫)のひとつを改造して美術館にしたもの。つまり、ボスフォラス海峡のウォーターフロントに建つ。「テラスからの景色をご覧ください。まるで生きた絵画のようでしょう?この景色を眺めながらカプチーノを飲むのが好き、という方が多いですね」 海を隔てた向こう側に見えるトプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスクの歴史地区、太陽の光を反射してきらきらと輝くボスフォラス海峡、行きかう連絡船とそれを追うカモメの群れ…。コーヒーを片手に、ゆっくりと移り変わる「生きた絵画」を飽かず眺めて過ごす。それはここでなければ味わえない、極上のひとときなのだ。

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